チャージショット

尊敬できる行動のひとつに「チャージショット」があります。

チャージショットというのは、テレビゲーム『ロックマン』の主人公ロックマンが行う攻撃のひとつ。攻撃ボタンを押してすぐ離すと、ロックマンのメカニックな腕から小さい弾が1個前方に飛んでいき、それを敵に当てるのが通常の攻撃行動なんですが、攻撃ボタンを押してからそのまま指を離さないでおくと、ブーンという音とともにロックマンの体全体が輝きはじめ、一定時間たつとメラメラと明るくなり、その状態でボタンから指を離すと、通常の弾の何倍もの大きさをした光体が飛んでいって、通常の何倍ものダメージを敵に負わせることができます。この後者の強い攻撃がチャージショットです。

チャージショット的なものは、ほかにもたくさんありそうです。ドラゴンボールの「かめはめ波」やハンターハンターの「じゃじゃん拳」といった、攻撃として似たもののほかにも、「大作に取り組む」という行動もチャージショット的です。強い行動を起こそうという気持ちがあり、その行動に向けてエネルギーを集中させる時間をじゅうぶん設け、納得のいく強度に達してから世に放つ、という点で共通しています。

エネルギーを集中させる時間、つまり「溜め」の部分が肝です。溜めている間は、実質的には何もしていないように見えるので、強い行動に出ようという衝動を抱えた当事者としては、生理に反する行動ともいえます。場合によっては、溜めの最中に攻撃を受けたり、「なんもしてねえな」と笑われたりするわけで、そういうリスクを受け入れるだけの覚悟がなければなりません。だからこそ、強い理性と意志の力を感じるのです。

対極にあるのは、たとえば連続エネルギー弾です。ドラゴンボールベジータなどの脇役がピンチのときにやる攻撃で、怒りにまかせてとにかくエネルギー弾を撃ちまくるというものです。一見派手ではあるものの、攻撃対象はほぼ無傷であり、結局負けてしまうのがセオリーです。主人公の孫悟空はあまり連続エネルギー弾を使ってる印象はなく、やはりかめはめ波元気玉といった「じっくり溜めてから撃つ」ということを実践できています。それが少年漫画の主人公たる所以で、少年たちへの手本となっているのかもしれませんね。

この「雑記」ブログは、チャージショットだろうか、それとも連続エネルギー弾だろうか。なんとなく連続エネルギー弾に近い気がします。1日の溜めはあるものの、もっと長い溜めを効かせないと、自分が心から納得できるものは作れないんだろうなという気持ちがあります。しかしなかなかそれって難しいですね。途中で成果物への興味が変わってきたり、飽きてきたり……あと、周囲の人に「これこれをやろうと思ってる」「これこれの勉強をしている」と宣言したり、聞かれてもいない進捗状況を報告したりして、それだけで結構満足してしまい、溜めたエネルギーが逃げてしまうということもありそうです。どうしたら悟空みたいに静かに元気玉をつくれるんだろうか。