ドラゴンボールの「カカロット」という名前についての考察

ドラゴンボールにおいて、昨日は「ブルマ」という名前の必然性について考えた。

ドラゴンボールの「ブルマ」という名前の必然性 - 雑記

今回は主人公の本名「カカロット」について考察する。

まず、基本的なこととして「カカロット」は野菜の「キャロット(人参)」をモジったものだと考えられる(異論はないはず)。

ここで疑問が生じる。「なぜ人参?」ということだ。もちろんほかのキャラクターについても、なぜその料理・飲み物・野菜を名前にしたのかという疑問は必ずついてまわるが、この「カカロット」に関しては主人公の名前ということで、ナントナクテキトウに名付けたとは考えづらく、何か必然的な思考の流れがあったのではないかと期待される。

そこで、以下のように考察した。

※ただしここでは、「サイヤ人(野菜に由来)」という命名は「カカロット」の命名より前にすでに行われたものと仮定している。つまり「なぜ野菜か」という点は考察に加えていない。

まず、主人公の孫悟空サイヤ人であるから、サイヤ人名としては野菜から名付けるのが自然だ。では、どの野菜がいいか。ここで、ベジータが悟空との初対戦時に言った次のセリフがヒントになる。

くっくっく……喜ぶがいい

きさまのような下級戦士が超エリートに遊んでもらえるんだからな……

そう、悟空は「下級戦士」だ。つまり、下級戦士→下級のサイヤ人→下級の野菜→下のほうの野菜→根の野菜となり、根菜の名前とすることにしたのではないだろうか。実際、兄は「ラディッツ(根菜のラディッシュに由来)」、父親は「バーダック(ゴボウに由来)」と、根菜の家系となっている。ちょうど「ブルマ」を「履かせるもの」というカテゴリーから選んで決めたように、「カカロット」も「根菜類」というカテゴリーから選ばれたのだと考えることができる。

ここまで認めれば、問いの形はこうなる。「根菜の中でも、なぜ人参が選ばれたのか」

これは恐らくだが、孫悟空の道着の色から連想したのだと考えられる。孫悟空の道着は亀仙人からもらったもので、鮮やかなヤマブキ色が特徴的だ。また、孫悟空は大事な場面でいつもこの道着を着ている。孫悟空の色は?と聞かれた人は、だいたいこの道着の色を答えるだろう。

したがって、ヤマブキ色の根菜→人参→キャロット→カカロット、ということになる。「キャロット→カカロット」の部分については、それこそナントナクテキトウにそうした可能性も高いが、あえて理由付けするなら、小学校低学年の少年層にも馴染みやすいように「キャ」という拗音を避けたとか、育ての親の孫悟飯(ごはん)の影響も受けていることを「おかか(ごはんによく合う)」の響きを持たせることで醸し出しているとか、そういうこともあるかもしれない。この点についてはまだまだ想像の余地があるので、引き続き頭の隅で考えておきたい。