反省の詞

廃CDの束に糸を通し、それをまた無数に束ねることで作られた吊り橋があるのだが、何十年経っても朽ちる気配がない。人間でそれを渡った者はいないからだ。思えばあれを渡ればよかった。

急行が止まらない駅の裏手に強い酸性の泉があり、遺体を投げ込めば跡形もなく処理できるので重宝されているのだが、それ以外の用途に使われる見込みはない。もう少し、ゼリーなどを作ったりしてみてもよかったんじゃないかと思うが、もう遅い。

ゴルフボールをミキサーにかけてもよい機会などあれ以来一度も訪れなかった。あるいはあのとき耳栓さえあれば。耳栓さえあればという発想されあれば。

四方を鈴に囲まれた空間を進むアトラクションの、"フォレスト・アンド・ストーン"のコースで、木の根に沿って配置された鈴に足を滑らして転倒し、付近の鈴を十粒近く飲み込んでしまったのだが、救急隊が駆け付けるまでの数分間、ただ安静にしているのは勿体なかった。もっと動きまくるべきだった。