ドラゴンボールの「ブルマ」という名前の必然性

ドラゴンボールのヒロインの名前がなぜ「ブルマ」なのか。主人公はモチーフそのままの「孫悟空」なのに、一体なぜ。しかも、作中の主要な登場人物としては2人目である。2人目がブルマ。パーマンの、1号は人間なのに2号でもう"猿"、というのに近い衝撃がある。この一見不可解なネーミングには、おそらく以下のような経緯があったと考えられる。

まず、主人公は未開の山奥に住んでいる。したがって、そこで出会う他人といえば、相応のタフな肉体をもっているか、もしくは相応の高度なテクノロジーをもっている必要がある。

タフなやつだと主人公と被るため、テクノロジー系のキャラクターが妥当。また、少年向けの漫画としては、男と男で旅をさせるよりも、男と女で旅をさせるほうが好ましい。

よって、2人目の登場人物像は「ハイテクなヒロイン」となり、それは「研究者の娘」という設定にするのが自然だろう。ここまで来ればあとは簡単。研究者→博士→履かせ→履かせるもの、というモジリをくぐらせて、研究者はおじさんなのでブリーフ、その娘は女の子なのでブルマとなる(パンツやパンティーだと少年誌としては露骨だし何より安易であるから、少なくとも連載開始直後は避けておくのが無難)。

以上のことから、ドラゴンボールのヒロインの名前が「ブルマ」であるのは、何も奇をてらったわけではなく、ごく真っ当で必然的な成り行きによるものだったと考えられる。


※指摘があったので追記します。

「ブリーフ博士、タイツ、トランクスといった下着の名前の家族だからブルマなんでしょ」というのは、ネーミングの説明とはなりません。なぜなら「そもそもなぜ下着の名前の家族なのか」という疑問が残るからです。(なお、この疑問は記事の説明により解消されているはずです)